英文法のルターさんです。
英語の時制はいくつあるのか。この問いについてルターが決定打を出します!
みなさんは、いくつだと思っていたでしょうか?
この記事で納得していただけたら幸いです。
1)画像で1枚ずつ
現在時制、2023/09/27、もう一枚加えました。
時制は2つ。音楽の長調のような現在時制《説明調》、短調のような過去時制《物語調》。
「時制は2つ設定することに意義がある」のです。
音楽の調が2つ(長調と短調)あるのと同じようなものなのです。
さらに説明が欲しい方は以下の記事ご覧ください。
2)〈Quiz〉スライダー
3)文字で確認
Q: 英語の時制はいくつ?
Q: 英語の時制はいくつ?
① 2(現在時制・過去時制)
② 3
③12
A: ① 時制は2つ 現在時制と過去時制
時制(tense)は「文章の全体の調子」を指す用語。
未来時制はない。
述語動詞の形(verb forms)は12以上あるが、それは時制ではない。
時制は、音楽の長調・短調に似ている。音楽で喩えるなら…
1)現在時制は「明るく活気のある長調」。「説明」調です。
2)現在時制は「地味で淡々とした短調」。「物語」調です。
文法用語で不適切なものがあります。
(〇)未来表現(現在進行形、will、be going toなど)
(×)未来形(will)、未来時制、完了時制
1. 現在時制《説明調》 話し手が聞き手に「物事はこうなっている」と説明する
現在をを説明する担当
【be動詞の現在形】is/am/are いる
【一般動詞の現在形】「(ふだん)~している」
【現在進行形】is/am/are+~ing
①《その場の動作》:[今その場で]~している
未来を説明する
【現在進行形】is/am/are+~ing
②《予定》:[これから]~するんだ
過去をを説明する
【現在完了形】have/has+過去分詞
①完了:[すでに]~している
②経験:[今までに]~したことがある
③状態の継続:[今までずっと]~している
【現在完了形の否定文】haven’t/hasn’t+過去分詞
①未完:[まだ]~していない
②動作の未遂の継続:[ずっと]~していない
2. 過去時制《物語調》 書き手が「いつ どこで 誰が どうしたか」を物語る
過去形だけでは「~した、~した…」と単調になるので、以下を組み合わせる。
【過去進行形】 was/were+~ing 「(その場で)〜していた」出来事の後景を作る
【過去完了形】 had+過去分詞 「(すでに)〜していた」出来事の前後を明確にする
【過去完了進行形】 had been ~ing 「(ずっと)〜していた」 動作の継続
【助動詞の過去形】 would/should/could/might+動詞の原形 未実現が多い
※例外的 would often ~「よく~したものだ」繰り返した出来事の回想
時制のまとめ
1. 現在時制の三本柱 《説明調》
1【現在形】「(ふだん)~している」 現在を説明
2【現在進行形】「(これから)~するんだ」 未来を説明
3【現在完了形】「(今までに、すでに)~している」 過去を説明
※助動詞は現在形(willなど)・過去形(wouldなど)を多用する。
過去形の助動詞は《丁寧さ》《可能性・実現度の低さ》をあらわす。
2. 過去時制の大黒柱は【過去形】 《物語調》
【過去形】で「~した」と時間経過に合わせて物語る
※過去形の助動詞(would/could/might/shouldなど)を使用。極力使わない。
助動詞は《未実現》をあらわすことが多い。
◆ポール・リクールの考えをルターがまとめたもの
① 談話(discours) 【現在時制】
・論評する = 緊張
・話し手と聞き手を想定する。しかも、話し手は聞き手に影響を与えようとする。
・現在(le présent)、未来(le futur)、複合過去(le parfait)
② 物語(réci)【過去時制】
・物語る = 緊張緩和
・話し手は介入しない。「出来事はひとりでに物語られるかのようである。」
・単純過去(le passé simple défini)、半過去(l’imparfait)、
大過去(le plus-que-parfait)、条件法(le conditionnel)
ポール・リクール(Paul Ricœur)、久米博 訳
『時間と物語Ⅱ フィクション物語における時間の統合形象化』新曜社(1988)pp.112-119
言語学者バンヴェニスト(Emile Benvenist)やヴァインリヒ(Harald Weinrich)らの諸説を取り上げて、時間とテキストの関係を考察した本。
4)最後に…文科省の学習指導要領でご確認ください
では、文部科学省の学習指導要領を見てください。
「時制」とは,動詞を変化させることで時間について表すことであり,
高等学校学習指導要領(平成30年告示)解説 外国語編 英語編 平成 30 年 7 月 p.39
現在時制と過去時制があり,未来の事柄は助動詞等を用いて表す。
相には,進行相と完了相があり,
この組合せのうち,中学校で指導するものは,
・現在形,過去形
・現在進行形,過去進行形
・現在完了形
・現在完了進行形
・助動詞などを用いた未来表現
である。高等学校では,過去完了形,過去完了進行形を加えて指導する。
https://www.mext.go.jp/content/1407073_09_1_2.pdf
さらに詳しい解説は以下の記事を参照して下さい。
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