
文法用語の中で、不遇であるという点では、
【some】や【現在進行形】は検定教科書の中で存在を無視されていて不遇ですが、
【時制】は、ほとんどの英語教員(90%以上)に誤解されていて不遇です。
というのも、時制が3つあるとか、12あるとか思っていても、日常生活でも大学受験でもほとんど支障がないからです。でも、時制は2つなんです!
この記事で、時制の数は英語関係者が全員納得して2つだと決着をつけさせていただきます!
(これ以上、時制をイジメないで下さい!)
最終的には、時制が2つという設定がブレない教科書を作ることがルターの目標です。

現在時制、2023/09/27、もう一枚加えました。

時制は2つ、3つ、12など、ネット上でも意見が分かれてしまう

高校2年生の太郎くんには難しめの話かもしれませんので、聞き手はサムがします。
ルター先生、時制は2つなんですね。
僕は今まで「現在・過去・未来」の3つだと思っていました。

ええ、ええ。ルターも高校時代にそう習いましたよ。
整理すると、時制が3つ、12という人は以下のように考えていますね。
時制が3つあるという考え、時制が12あるという考え
●時制が3つあるという考え 1) 現在時制 2) 過去時制 3) 未来 (未来に時制をつけるのは間違いなのでつけていません) ●時制が12あるという考え 1) 現在形、現在進行形、現在完了形、現在完了進行形 2) 過去形、過去進行形、過去完了形、過去完了進行形 3) will+動詞の原形、未来進行形、未来完了形、未来完了進行形 (英語に未来形はない。willは【助動詞】のひとつ)

こう考える方がスッキリしていて、僕はわかりやすいな!
英語の時制は3つ、12と考える方は学習指導要領を読んでください

では、文部科学省の学習指導要領を見てください。
「時制」とは,動詞を変化させることで時間について表すことであり,
高等学校学習指導要領(平成30年告示)解説 外国語編 英語編 平成 30 年 7 月 p.39
現在時制と過去時制があり,未来の事柄は助動詞等を用いて表す。
相には,進行相と完了相があり,
この組合せのうち,中学校で指導するものは,
・現在形,過去形
・現在進行形,過去進行形
・現在完了形
・現在完了進行形
・助動詞などを用いた未来表現
である。高等学校では,過去完了形,過去完了進行形を加えて指導する。
https://www.mext.go.jp/content/1407073_09_1_2.pdf
時制は3つ、12と考える人への反論

時制は3つと考える人への反論その1:
文部科学省の学習指導要領では
「時制」とは,現在時制と過去時制と書いている。
「未来表現」と表記しており、文法用語として未来形は使わない。

時制は3つと考える人への反論その2:
ルターは大学時代に、パーマーの Grammar を大学のテキストで使った授業で
「時間(time)は現在・過去・未来の3つだが、時制(tense)は2つ」だと、習いました。
https://www.academia.edu/9701897/Grammar_by_Frank_Palmer p.198 C. Tense
- Morphologically English has two tenses only, as examplified by He likes/He liked, He takes/He took, These are most plausibly referred to as ‘present’ and ‘past’.
DeepL翻訳:形態学的に英語には、He likes/He liked、He takes/He tookに代表されるように、2つの時制しかない。これらは、「現在」と「過去」と呼ぶのが最も妥当である。

これで「3つ」説の人が納得してくれるといいですね。

時制は12と考える人への反論:
12というのは、時制の数ではなく、述語動詞の数を数えている。
実際には述語動詞の形は12では収まらない。
個人レベルでは時制は3つだと信じていても問題ない

時制が2つか3つかという話は宗教・信念に近い面があるので、ルターは説得するのは無理だとあきらめています。その人が「3つ」だと信じていて、都合が悪くなければそれで良いのです。「3つ」だと思っていても、東大も受かるし、慶應義塾大学も受かる(実話!)。

(じゃぁ、3つでもいいじゃん!)
時制が2つという設定がブレない教科書を作ることがルターの目標
ルターは人を説得するのは無理だとあきらめていますので、教材を整えます

ですので、人を説得するのは無理だとあきらめていますので、教材を整えます!
でも、サムくん、時制が誤解されているんですよ。かわいそうだと思いませんか?
本当は2つなのに、3つだと言われたり、12だと言われたり…。
文法事項が人間だとしたら、イジメに遭っているみたいなものです。

はぁ…、かわいそうですね。

ルターの信念として、誤解されている文法項目を救出することは諦めません!
真善美の3つの価値のうちの「真」を求めていくのが学問でしょう。
声を発することのできない文法事項の代わりにルターは誤解を解きたいのです。

ルター先生の信念なんですね。

ついでに言うと、学習指導要領の「時制」の定義、
【「時制」とは,動詞を変化させることで時間について表すこと】っていうのは、
ルターから言わせたら、間違いです。
それは時制ではなく「述語動詞(現在形、過去形など)」のことでしょう。
残念ながら、時制を分かっている人は、本当に少ないです。
時制(tense)は、個々の述語動詞の形ではなくて、文章全体の調子です。
以下のリンク記事をご覧下さい。
現在時制《説明調》・過去時制《物語調》、「音楽の転調と英語の時制を変えることの類似性」について話しています。
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