ルター先生、よろしくお願いします。
現在完了形・現在完了進行形は、合わせて7つの用法があるんですね!
はい。ルター式英文法では、合計7つの用法を扱います。
1)7つの用法
2)前提を確認
3)【現在完了形】【現在完了進行形】の基本的な作り方
4)【現在完了形】①~⑤、【現在完了進行形】⑥⑦の意味
5)関連する記事を最後に紹介します。
1)7つの用法
ルター式英文法では、現在完了形と現在完了進行形で合計7つの用法を扱います。
【現在完了形】 | have/has+過去分詞 haven’t/hasn’t+過去分詞 | ①《経験》~したことがある 《未経験》(今まで)~したことがない ②《完了》(すでに)~している ~しちゃった 《動作の未完》(まだ)~していない ③《結果》(今、ここで)~している ④《動作の未遂の継続》(最近、ずっと)~していない ⑤《状態の継続》(今までずっと)~している |
【現在完了進行形】 | have/has+been ~ing | ⑥《動作の継続》(今までずっと)~している ⑦《臨場感ある完了》(さっきまで)~していたんだ |
従来の学校英文法は…
●【現在完了形】
①《経験》~したことがある
②《完了》(すでに)~している
(③《結果》(今、ここで)~している)
⑤《状態の継続》(今までずっと)~している
●【現在完了進行形】
⑥《動作の継続》(今までずっと)~している
ルター式英文法では「③④⑦もあるよ!」と提案します!
特に④が無視されていて可哀想です。現在完了形でしか表現できないことなんですよ。
現在形でも過去形でも表現できないのが④です。
④《動作の未遂の継続》(最近、ずっと)~していない
原因は、not ~yet「まだ~ない」では否定文を扱いますが、
「動作動詞の否定文+期間」が盲点になっていたからですね。
2)前提を2つ確認(この文法項目を知ってから学習をスタート)
前提その1:英語の時制は2つ
英語の時制は2つ→【現在完了形】【現在完了進行形】は現在時制《説明調》で使う ●現在時制《説明調》対話向き=話し手が聞き手に説明する ●過去時制《物語調》報告向き=書き手が物語る
【現在完了形】【現在完了進行形】は現在時制《説明調》で使うんですね。
でも…、《説明調》というのがよくわからないです。
「時制は2つ」って、なかなか日本のみなさんに伝わらないですよね…
まず、このイメージを見てください。最後に補足説明します。
【現在形】【現在進行形】は現在を説明する。
【現在進行形】は未来を説明する。
【現在完了形】【現在完了進行形】は過去を説明する。
とりあえず、理解できました。
前提その2:【状態動詞】と【動作動詞】
●【状態動詞】→状態動詞は進行形にしない 《恒常的状態》live「住んでいる」、love「愛している」、know「知っている」など ●【動作動詞】→進行形にすると《その場限りの動作》《未来の予定》の意味 《習慣的動作》eat「食べる」 《その場限りの動作》 is/am/are eating [今その場で]食べている 《未来の予定》 is/am/are going [これから]行くんだ
know「知っている」は、今その場だけ知っていてその後記憶喪失というわけではない。だから進行形にしません。
また、love「愛している」は、現在進行形にはしません。「今その場だけ」「一時的動作」の意味になってしまいます。
live「住んでいる」は一時的に住んでいるといいたい場合には進行形にできますが通常は進行形にしません。
live「住んでいる」は進行形にすることもあるんですね。
2)【現在完了形】【現在完了進行形】の基本的な作り方と意味
ルター式英文法では「部分和訳」を提案しています。その考え方で説明します。
【現在完了形】have/has+過去分詞
このように部分和訳があるのがルター式英文法の特長ですね。
ルター式英文法では、上記の練習(現在形→現在完了形)が自然な会話の練習になると考えています。声に出してみましょう。
教科書会社・英語教員のみなさん!
文法観に基づいて、上記のような提示を教材でなさってください。
【現在完了進行形】have/has+been ~ing
縮約形は会話で多用されますから、この部分和訳で練習するといいですね!
3)【現在完了形】①~⑤、【現在完了進行形】⑥⑦の意味
【現在完了形】 | have/has+過去分詞 haven’t/hasn’t+過去分詞 | ①《経験》~したことがある 《未経験》(今まで)~したことがない ②《完了》(すでに)~している ~しちゃった 《動作の未完》(まだ)~していない ③《結果》(今、ここで)~している ④《動作の未遂の継続》(最近、ずっと)~していない ⑤《状態の継続》(今までずっと)~している |
【現在完了進行形】 | have/has+been ~ing | ⑥《動作の継続》(今までずっと)~している ⑦《臨場感ある完了》(さっきまで)~していたんだ |
【現在完了形】①《経験》~したことがある 《未経験》(今まで)~したことがない
before(以前に) |
never(一度も~ない) |
ever(今までに)※疑問文で使う |
How many times?(何回?) |
once(1回) twice(2回) three times(3回) ※3回以上は time が「回」「度」の意味なので ~ times |
I have been to Canada before. 私は以前にカナダへ行ったことがあります。
I have never been to Canada. 私は今までにカナダへ行ったことがない。
Have you ever been to Canada? 今までにカナダに行ったことがありますか。
How many times have you been there? 何回そこに行ったことがありますか。
I have been there once. 1回そこに行ったことがある。
I have been there twice. 2回そこに行ったことがある。
I have been there three times. 3回そこに行ったことがある。
《経験》は【現在完了形】【過去形】の両方使える
《経験》は【現在完了形】【過去形】の両方、使えます。
Have you ever been to Canada? 今までにカナダに行ったことがありますか。
Did you ever go to Canada? 今までにカナダに行きましたか。
【現在完了形】②《完了》(すでに)~している、~しちゃった 《動作の未完》(まだ)~していない
just(ちょうど) |
already(すでに) |
yet(もう) |
not ~ yet(まだ~ない) |
I have just finished my homework. 私はちょうど宿題を終えたばかりです。
I have already finished my homework. 私はすでに宿題を終えている。
I haven’t finished my homework yet. 私はまだ宿題を終えていない。
Have you finished your homework yet? もう宿題を終えているのですか。
No, not yet.(いいえ、まだない。)
日本語で動詞を「~ちゃった」にするのと英語で動詞を現在完了形にするのは似ている
②【現在完了形】《完了》は日本語の「~ちゃった」と似ています。
動詞を過去分詞にして、現在完了形を作るのには練習が必要です。
finish → have finished
go → have gone
昔、ルターが東京に住んでいた頃、井の頭線に乗っていたら、駒場東大前から乗ってきた、海外からの留学生の女性が右隣に座って、日本語学習のテキストを広げました。
彼女は動詞を「~ちゃった」にする練習問題をしていたのです。
例えば、
「書く」+「ちゃった」=「書いちゃった」
「食べる」+「ちゃった」=「食べちゃった」
「読む」+「ちゃった」=「読んじゃった」のようにする練習です。
「話す」「あげる」「捨てる」に「ちゃった」をつけると、どうなりますか?
「話しちゃった」
「あげちゃった」
「捨てちゃった」です。
「ちゃった」に変えるのは、日本語のネイティブはスラスラできます。
ルールはどうなっているでしょうか?
1)「~てしまう」が「~ちゃった」になるので、「て」に接続する形
例)あげてしまう→あげちゃった
2)「~でしまう」が「~じゃった」になるので、「で」に接続する形
例)飲んでしまう→飲んじゃった
さすが、ルター先生。「場合分け」を考えますね!
「食べる→食べちゃった」
「あげる→あげちゃった」
「捨てる→捨てちゃった」
上記の例を見て、
「~る」で終わる動詞は「る」を取れば「ちゃった」につながると思ったら、
そんな簡単な話ではないんですよ!
「雨が降る→雨が降っちゃった」は、「っ」が必要なんですよ!
「~ちゃった」を分類するには、「音便」の知識が必要なんです!
参考:【音便とは?】撥音便、促音便、イ音便、ウ音便【4種類の音便の見分け方】
ルールに分けるの、なかなか大変ですね。
以下は結論が出ませんでした! メモ的に書いています。
音便の分類がわからないとルールが見いだせないことがわかりました。
【イ音便】でも「カ」と「ガ」で分かれます。
この分類、今日(2022/12/26)思いつきましたが要検討。
1)「~ちゃった」に接続
①基本はほとんどの連用形がそのまま「~ちゃった」に接続。
例)話す→話しちゃった 「話さない、話します、話す、話すとき、話せば、話せ」
②【イ音便】=カ行の1グループ動詞(五段動詞)の連用形
例)聞く→聞いちゃった
書く→書いちゃった
2)「~っちゃった」に接続
①【促音便】=「ち」「ひ」「り」が「っ」(促音)に変化
例)待つ→待っちゃった
狂う→狂っちゃった
雨が降る→雨が降っちゃった
②【ウ音便】=語中・語末の「く」「ぐ」「ひ」「び」「み」などが「ウ」の音になる
例)歌う→歌っちゃった
思う→思っちゃった
3)「~じゃった」に接続
①【撥音便】(はつおんびん)
=ナ行・バ行・マ行の1グループ動詞(五段動詞)の連用形(テ形)
例)飲む→飲んじゃった
読む→読んじゃった
②【イ音便】=ガ行の1グループ動詞(五段動詞)の連用形
泳ぐ→泳いじゃった
【現在完了形】③《結果》「(今、ここで)~している」「~あるんだ」
詳しくは別記事にあります。
「have→be」の置き換えができる
《結果》動作に焦点 Spring has come. 春が来ている。
《結果》動作に焦点 We have met here. 私たちはここで会っている。
《結果》動作に焦点 He has gone. 彼は出かけている。
【縮約形】 He’s gone. 彼は出かけてる。
《今その場》 I’ve got tired. 疲れちゃった。※色分けに無理があります
「have got→have」の置き換えができる
《その場を強調》 I’ve got a date today. 今日、デートがあるんだ。※イギリス英語で多用
《その場を強調》 I’ve got to go. 行かなくっちゃ。※色分けに無理があります
《その場を強調》 You’ve got to! しなくっちゃ!
※《継続》は3種類(④⑤⑥)
How long?(どのくらい?) |
for+期間「~の間」 |
since+時点「~以来、~から」 |
Since when? (いつから?)の使い方、検索しました。
参考記事:サンドイッチ英会話「Since when の意味と使い方、ニュアンスの違い」
どちらかというと「意外に感じたことに対して非難する場合」が多いんですね!
その場合には、現在完了形と使うだけではなく、現在形・過去形とも使う。
記事によると、Since when+現在完了進行形?「いつから~しているんですか」は非難のニュアンスはなく、ニュートラル(中立的)な意味だそうです。
さらに、SKELL で例文を検索しました。
確かに「意外に感じたことに対して非難する場合」が多く、
例文では「うわ~ぁ」と思うような、ここには載せられない内容もありました。
Since when did you ever care about golf?
https://skell.sketchengine.eu/#result?lpos=&query=since%20when&lang=en&f=concordance
DeepL翻訳:いつからゴルフにこだわるようになったんだ?
Since when is 50 hours a week part time ?
DeepL翻訳:いつから週50時間がパートタイムになったんだ?
【現在完了形】④《動作の未遂の継続》(最近、ずっと)~していない
※動作動詞の否定+期間・過去から現在までの期間
I haven’t seen her since last Friday. 私は金曜日から彼女に会っていない。
I haven’t had a haircut for two months. 私は2ヶ月間散髪していない。
How long have you not had a haircut? どのくらい散髪していないのか。
ルター式英文法では④《動作の未遂の継続》「(最近、ずっと)~していない」の用法を提案しています。この用法は日本の学校英語の盲点です! ぜひ覚えましょう。
【現在完了形】⑤《状態の継続》(今までずっと)~している
ルター式英文法では、上記の練習(現在形→現在完了形)が自然な会話の練習になると考えています。声に出してみましょう。
教科書会社・英語教員のみなさん!
文法観に基づいて、上記のような提示を教材でなさってください。
※状態動詞の現在完了形+期間・時点
I have lived in Kyoto for eight years. 私は8年間京都に住んでいます。
We have known each other since 2000. 私たちは2000年からお互いを知っている。
【現在完了進行形】⑥《動作の継続》(今までずっと)~している
※動作動詞の現在完了進行形+期間・時点
It’s been raining for two hours. 2時間雨が降っている。
It’s been raining since yesterday. 昨日から雨が降っている。
【現在完了形】と【現在完了進行形】の使い分け 《継続》の場合
is「~いる」を会話で使う縮約形 ‘s「~る」、
have/has「~いる」を会話で使う縮約形 ‘ve/’s「~る」にしてみました。
●【状態動詞】live 住んでいる
《恒常的状態》I live in Kyoto. 京都に住んでいる。
⑤《状態の継続》I have lived in Kyoto since 2013. 2013年から京都に住んでいる。
⑤の縮約形 I‘ve lived in Kyoto since 2013. 2013年から京都に住んでる。
●【動作動詞】rain 雨が降る →【現在分詞】raining 雨が降って
《その場の動作》It is raining. 雨が降っている。
縮約形 It‘s raining. 雨が降ってる。
⑥《動作の継続》 It has been raining since last night. 昨夜から雨が降っている。
⑥の縮約形 It‘s been raining since last night. 昨夜から雨が降ってる。
【現在完了形】⑦《臨場感ある完了》「(さっきまで)~していたんだ」
I’ve been running. (さっきまで)走っていたんだ。
I’ve been waiting. (さっきまで)待っていたんだ。
ルター式では会話で使える⑦《臨場感ある完了》「(さっきまで)~していたんだ」の用法を提案しています。ぜひ覚えましょう。
4)関連する記事
「現在完了形と過去形の使い分け」は、時制の違い!
【現在完了形】と【現在完了進行形】は、時制の違い です。
①【現在完了形】は「すでに~している」と説明するのに使う→現在時制《説明調》
②【過去形】は「あるとき~した」と物語るのに使う→過去時制《物語調》
→ゆえに【現在完了形】と過去の時点をあらわす副詞表現は一緒に使わない。
大きな枠から解説します。時制は2つです。
現在時制(説明調) vs. 過去時制(物語調)です。
1)現在時制で「過去[から今までのこと]を説明する」ために
【現在完了形】と【現在完了進行形】を使います。
2)過去時制で「過去を物語る」のに主に【過去形】を使います。
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