《英詩》ロバート・フロストのThe Road Not Taken(通らなかった道)と生徒の感想文

〈教科書に載せたい英文〉
ルターさん
ルターさん

〈教科書に載せたい英文〉では、ルターが「こういう例文で英語を学びたい!」「ああ! 上手い表現だな~!」と感じる、お勧め英文を紹介します。
英詩にチャレンジしてみました。ロバート・フロストのThe Road Not Taken(通らなかった道)は、アメリカでは広く学ばれています。次に載せた生徒の感想文を読むと、こういうふうに感想文を書くと良いという参考になります。

1)Robert Frost(ロバート・フロスト)

ロバート・リー・フロスト(Robert Lee Frost, 1874 -1963)はアメリカ合衆国の詩人。作品はニューイングランドの農村生活を題材とし、複雑な社会的テーマや哲学的テーマを対象とするものが多く、大衆的人気も高く人口に膾炙した。生前から表彰されることもしばしばで、ピューリッツァー賞を4度受賞した。

引用:Wikipedia

2)The Road Not Taken(通らなかった道)

The Road Not Taken(通らなかった道) Robert Frost(ロバート・フロスト)

Two roads diverged in a yellow wood, 
黄色い森の中で、道が二つに分かれていた

And sorry I could not travel both    
残念ながら両方は行けない

And be one traveler, long I stood     
一方しか通れない。私は長い間立ち尽くし

And looked down one as far as I could 
まず一つの道をできる限り遠くまで見通した

To where it bent in the undergrowth; 
薮のところで曲がるまで。

Then took the other, as just as fair, 
そしてもう一方の道を選んだ。正当で,

And having perhaps the better claim, 
最初の道よりも良いと言えそうな気がして...。

Because it was grassy and wanted wear; 
草っぽくて、踏んで欲しそうだったから。

Though as for that the passing there 
そのことに関しては,そこの通行で

Had worn them really about the same, 
両方の道が同じくらい踏んであった,

And both that morning equally lay  
その朝,両方の道は等しく

In leaves no step had trodden black. 
誰も踏み込んでいなくて落ち葉で黒かったけれど。

Oh, I kept the first for another day! 
ああ,最初の道はまたの日のとっておこう!

Yet knowing how way leads on to way, 
しかし,どのように道が続くか知りながらも

I doubted if I should ever come back. 
また戻って来るか疑わしかった。

I shall be telling this with a sigh      
私はため息まじりにこう語っているだろう,

Somewhere ages and ages hence:    
どこかで,何度も何度も

Two roads diverged in a wood, and I- 
「森の中で道が二つに分かれていて,私は...

I took the one less traveled by,         
私は人があまり通っていない方の道を選んだ。

And that has made all the difference. 
そのことが今,大きな違いをもたらしているんだ。」

3)iambic tetrameter(弱強四歩格)

ルターさん
ルターさん

韻文の形式に注目してみましょう。
iambic tetrameter(弱強四歩格)や
iambic pentameter (/aɪˌæmbɪk pɛnˈtæmɪtər/弱強5歩格)などがある。
この詩は弱強四歩格です。

iambic tetrameter(弱強四歩格) (Wikipedia参照) 

daDUMdaDUMdaDUMdaDUM
弱, 強, 弱,強, 弱,強, 弱, 強
x     /   x    /  x   /   x   /
Come live with me and be my love 

4)ある生徒の感想

ルターさん
ルターさん

以下は、ある生徒の日記として書かれた文章(正しく直したもの)です。これによれば,この詩は「決断」がテーマなんですね。

Today in a class we read a poem by Robert Frost. I really enjoyed it. It was about a person who chose between two roads in a forest. Before he made his decision, he spent a lot of time trying to decide which road to follow. Many people thought the person was Frost. In the end, he took the road that was less traveled on. He decided to be a poet. That decision changed his life a lot.
Sometimes I feel a little like Frost. Two years ago I decided to come to this country. That was the biggest decision of my life.

DeepL翻訳(ですます調に整えた):今日の授業で、ロバート・フロストの詩を読みました。 私はその詩をとても楽しみました。 その詩は、森の中で2つの道のどちらかを選ぶ人の話でした。 彼は決断を下す前に、どちらの道を進むか決めるのに多くの時間を費やしたそうです。 多くの人がその人物をフロストだと思いました。 結局、彼はあまり人が通らない道を選びました。 彼は詩人になることを決めたのです。 その決断が彼の人生を大きく変えました。
私は時々、フロストのように感じることがあります。 2年前、私はこの国に来ることを決意しました。 それが私の人生における最大の決断でした。

Marjorie Fuchs, Margaret Bonner, Grammar Express-Intermediate: For Self-Study and Classroom Use [With CDROM] Longman, 2000(2nd ed.) p. 27
ルターさん
ルターさん

構成が上手い文章ですから,こういうのを生徒と読みたいです。
以下、余談です。ルターの母は東京学芸大学英文科出身ですが、大学の講義でiambic pentameter (/aɪˌæmbɪk pɛnˈtæmɪtər/弱強5歩格)を習ったので、小中学生だったころの私に向かって「アイアンビック ペンタミタァ」と呪文のように唱えていました。別に母は英詩を愛読するというわけではなく、ただ、唱えたいんですね。子ども心に「アイアンビック ペンタミタァって、なんだろう?」と思いながら大きくなりました。そういう特殊な家庭環境で育ったルターです。
このように振り返りますと、今の日本の英語教育の文化レベルが下がっていると痛感いたします。文化レベルを上げるため、英語教員のみなさんをはじめとした英語教育関係者や高校生に英詩やシェイクスピアを味わってほしいとルターは願っています。マニュアルのような潤いのないパサパサした説明文ばかりを読んだり読ませたりして無駄な時間を過ごさないようにしましょう。潤いのあるオトナの時間を取り戻し、物語や英詩を味わいましょう。

2012.05.20 のブログ記事を再構成しました。

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