【無冠詞】と【a/an/some】の使い方は現行の英語教科書できちんと位置づけられていません。
ルター式英文法では「無冠詞は対比説明、a/an/some は具体的に物語る」と位置づけます。
具体的に物語る文脈では、
「新しい靴が欲しい」I want some new shoes.
「昨日靴を買いました」I bought some shoes yesterday.
(a pair of shoes も可能。【無冠詞】shoesではない)のように、someを使います。
指で差して「この靴」these shoes(this pair of shoes も可能)と言えますか?
さらに「靴・メガネ・パンツのことを they/themって、言えますか?」とルターが問いかけると、多くの人(英語教育関係者)は「小学生には難しい」って思ってしまうでしょう。
でも、これが英語なのです!
確かに、小学生には難しいかしら…。
1)英語圏で通常、複数形で使う名詞
英語圏で通常、複数形で使う名詞に注目しましょう。
日本語話者には単数に見えるので、a ~で言いたくなりますが、英語話者は「ペアで1つ」と見なしているのでsome ~s を使うものがあります。
靴、パンツ、メガネ、はさみなどです。
英語の文化を知る良いきっかけになる文法事項です。
① 靴・靴下:バラバラにもなるが、通常「ペア」で使うもの
片方だけを言うこともできますが、その発話状況が起こることは少ないです。
a shoe(靴の片方)
a sock(靴下の片方)
some shoes または a pair of shoes(靴1足)
some socks または a pair of socks(靴下1足)
【普通名詞】 | 通常「ペア」で使うもの |
---|---|
靴 | shoes |
靴下 | socks |
スニーカー | sneakers |
スリッパ | slippers |
② メガネ・パンツ:日本語話者は1つと見なしているが英語で複数形
メガネ(glasses)は、言われてみれば2つレンズがありますので英語で複数形を使うのは納得いくかと思います。
体重計(scales)はどう見ても1つですよね。scalesには「天秤」の意味があります。
天秤には「皿が2つ」あります。納得できましたか?
【普通名詞】 | 日本語話者は1つと見なしているが英語で複数形 |
---|---|
メガネ | glasses |
サングラス | sunglasses |
双眼鏡 | binoculars |
ハサミ | scissors |
パンツ、ズボン | pants |
体重計・天秤 | scales |
【名詞】 | 「無冠詞は対比説明、a/an/some は具体的に物語る」 ①《一般論》 【無冠詞】 種類の違いを対比説明 ※単語を並列に提示 ②《具体的な話題》 【a/an/some】数・量を具体的に物語る ※イラスト・実物で提示 |
例)メガネ | ①《一般論》【無冠詞】 glassesと言うと「(他のものではなく)メガネは」と対比して聞こえる。 ②《具体的な話題》 【a/an/some】 some glasses(メガネ1本。メガネ2本以上も同様) a pair of glasses(メガネ1本) two pairs of glasses(メガネ2本) |
小学校教科書にメガネ(glasses)、はさみ(scissors)のイラストが載っています。
イラストを見て、 some glasses、some scissors 、
指で差して「このメガネ」these glasses、「あのはさみ」those scissors と言えるようになりましょう。
【普通名詞】ペアで1つ | some+複数形:1つでも2つでも | 1個・1足・1枚 | 2個・2足・2枚 |
---|---|---|---|
メガネ | some glasses | a pair of glasses | two pairs of glasses |
サングラス | some sunglasses | a pair of sunglasses | two pairs of sunglasses |
双眼鏡 | some binoculars | ||
ハサミ | some scissors | a pair of scissors | two pairs of scissors |
パンツ、ズボン | some pants | a pair of pants | two pairs of pants |
ジーンズ | some jeans | a pair of jeans | two pairs of jeans |
靴下 | some socks | a pair of socks | two pairs of socks |
靴 | some shoes | a pair of shoes | two pairs of shoes |
a や this/that は複数形に直接つけない → pairに a や this/that をつける
2)靴、メガネ、はさみ…【some+複数形】で言う練習をしましょう!
わかりました。
3)靴、メガネ、はさみ…【these/those+複数形】で言う練習をしましょう!
this | これ | this +単数形 | この~ | this box | この箱 |
these | これら | these +複数形 | これらの~ | these shoes | この靴 |
those | あれら | those+複数形 | あれらの~ | those shoes | あの靴 |
- 1足の靴や1枚のパンツでも、some/these/thoseを使います。
1つのメガネでも代名詞はthey「それらは」、them「それらを」を使います。
① 1足 、1本 を見て some/these/those+複数形 で言おう!
靴1足 | パンツ1本 | メガネ1本 | はさみ1本 |
---|---|---|---|
some shoes 靴 | some pants パンツ | some glasses メガネ | some scissors はさみ |
the shoes その靴 | the pants そのパンツ | the glasses そのメガネ | the scissors そのはさみ |
these shoes この靴 | these pants このパンツ | these glasses これらのメガネ | these scissors これらのはさみ |
those shoes その靴 あの靴 | those pants そのパンツ あのパンツ | those glasses そのメガネ あのメガネ | those scissors そのはさみ あのはさみ |
a pair of shoes 靴 | a pair of pants パンツ | a pair of glasses メガネ | a pair of scissors はさみ |
this pair of shoes この靴 | this pair of pants このパンツ | this pair of glasses このメガネ | this pair of scissors このはさみ |
my shoes 私の靴 | my pants 私のパンツ | my glasses 私のメガネ | my scissors 私のはさみ |
② 2足以上、2本以上 two/some/these/those+複数形 で言おう
靴2足以上 | パンツ2本以上 | メガネ2本以上 | はさみ2本以上 |
---|---|---|---|
some shoes 靴 | some pants パンツ | some glasses メガネ | some scissors はさみ |
the shoes それらの靴 | the pants それらのパンツ | the glasses それらのメガネ | the scissors それらのはさみ |
these shoes これらの靴 | these pants これらのパンツ | these glasses これらのメガネ | these scissors これらのはさみ |
those shoes それらの靴 あれらの靴 | those pants それらのパンツ あれらのパンツ | those glasses それらのメガネ あれらのメガネ | those scissors それらのはさみ あれらのはさみ |
some pairs of shoes 靴 | some pairs of pants パンツ | some pairs of glasses メガネ | some pairs of scissors はさみ |
my shoes 私の靴 | my pants 私のパンツ | my glasses 私のメガネ | my scissors 私のはさみ |
3)クイズで確認
以上、検定教科書だけで学ぶ生徒の口から、
some shoesという言葉が 出てくることは「ない」ですね。
some は無視されていますから!
❷《具体的な話題》は絵を見ながら声に出して覚えるよう、提案します。
some/any/noも昔の教科書でしていたようにまとめて扱ってほしい。
a/an/someは日本語訳しませんが、someを使うのを忘れないで下さい!
僕、サム(some)からのお願いです。
僕は人名のSamではなく、形容詞someの化身なんですよ。
本来は、ルターは小学校英語導入は反対です。
ルターの提案は、
小学生は0時間にして、国語の時間に詩や文学に親しむ。
中学生は英語を週5,6時間にして昔のようにサイドリーダーで文学作品を多読することです。
それが無理なら、ルター式英文法の記事を参考に検定教科書を整えてほしい!
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