トイレは英語で何て言う? アメリカとイギリスの意外な違い

「トイレはどこですか?」と英語で訊きたい際、アメリカでは家庭内では「Where is the bathroom?」、公共の場では「Where is the restroom?」が一般的に用いられます。一方、イギリスでは「Where is the toilet?」や「Where’s the loo?」が自然ですが、実はそれだけに留まりません。国や場面によって呼び方が異なり、場合によっては「toilet」という言葉が失礼と受け取られることもあるのをご存じでしょうか。この記事では、アメリカとイギリスのトイレに関する英語表現を表で整理しつつ、意外な文化の違いについても詳しくお伝えいたします。

家庭での呼び方

家庭内でのトイレの呼び方は、アメリカとイギリスで若干異なります。「bathroom」は両国で通じますが、その背景には違いがあります。

  • アメリカ: 「bathroom」はトイレ、洗面台、浴槽が一緒になった部屋を指すことが多く、「Where is the bathroom?」と訊けば、自然にトイレの場所を尋ねたことになります。
  • イギリス: トイレと浴室が別々の部屋である場合が多く、その際は「Where is the toilet?」や「Where’s the loo?」と訊くのが一般的です。「bathroom」と表現した場合、浴槽のある部屋を意識していることが多く、状況によっては誤解を招く可能性もあります。例えば、「Excuse me, may I use your toilet, please?」(お宅のトイレをお借りしてもよろしいですか)と訊くのが確実です。
参考画像: 1823 Bathroom – tub and toilet – New Orleans

公共の場での呼び方

公共の場では、さらに明確な違いが現れます。

  • アメリカ: 「the restroom」が標準的で、店舗やレストランで頻繁に使用されます。「the bathroom」も理解されますが、家庭外では「the restroom」の方が自然に響くとの意見もあります。男女別の場合、「the men’s room」や「the women’s room」と具体的に表現するのが通例です。
  • イギリス: 「the toilet(s)」が広く使われますが、他にも多彩な選択肢があります。「the ladies」(女性用)や「the gents」(男性用)はカジュアルで日常的です(「the」を省略することもあります)。
    「the loo」は特に親しみやすいスラングとして知られ、「Where’s the loo?」と気軽に訊かれます。
    公共の場での例として、「Excuse me, is there a toilet here?」(ここにトイレはありますか)や「Excuse me, where is the Gents?」(男性用トイレはどこですか)と尋ねるのが自然です。
参考画像: Jamaica-179th; Women’s Room Mezzanine
参考画像: Restrooms at cafe in Saint John

トイレに行きたいときの婉曲表現

英語では、直接的に「トイレに行きたい」と言うのを避け、婉曲的な表現を用いることがあります。たとえば、「手を洗いたい」と述べるのが一般的です。

  • 「I want to wash my hands.」(手を洗いたい。)
  • 「Excuse me, I’m going to wash my hands.」(すみません、手を洗いに行きます。)
    このような言い回しは、特にフォーマルな場面や知らない相手に対して、丁寧かつ自然に意図を伝える手段として役立ちます。

言葉に隠れた階級や文化

興味深いことに、イギリスではトイレの呼び方に階級意識が反映される場合があります。

  • 「lavatory」はフォーマルで、上流階級を思わせる響きがあります。
  • 「loo」は中流階級的で親しみやすい印象です。
  • 「toilet」は労働者階級と結びつけられ、一部の人には粗野に感じられることもあります(ただし、日常会話では問題なく使用されます)。

    一方、アメリカではこうした階級意識はあまり見られず、「toilet」は「便器そのもの」を強く連想させるため、カジュアルな会話では避けられる傾向があります。たとえば、「He’s in the toilet」と言えば、「便器の中にいるのか?」と冗談めかして受け取られる可能性すらあります。このため、アメリカでは家庭では「the bathroom」、公共の場では「the restroom」が無難です。

その他の表現と注意点

以下に、状況や地域で使われるその他の表現を挙げます。

  • 「the lavatory」[ラヴァトォリィ]:
    アメリカでは、フォーマルな言葉で、主に学校やオフィスなどの公共の建物や飛行機内のトイレを指し、家庭ではほとんど使われません。
    イギリスでは、フォーマルな言葉で、公共のトイレと家庭内のトイレの両方に使われますが、公式な場面や古風な設定です。
  • 「the washroom」: アメリカではやや古風で、年配者が使うイメージがあります。
  • 「the WC」: イギリス由来(Water Closet)ですが、現在はほとんど使われません。アメリカでは理解されない可能性が高いです。
  • 「the john」: アメリカのスラングで、特に男性が使うことが多いです。「I need to go to the john」とは言いますが、女性はあまり使いません。
  • 「the head」: 軍隊で用いられるスラングで、日常会話ではほぼ耳にしません。
ルターさん
ルターさん

余談ですが、フィリピンではトイレを「Comfort Room」の略である「CR」(スィーアール)と呼びます
新英研の淺川先生に教えていただきました。

結論:「toilet」はどう使うべきか?

「toilet」は確かに「便器」を直接的に連想させる言葉です。
アメリカでは『toilet』は便器そのものを指し、部屋には『bathroom』や『restroom』が使われます。「Where’s the bathroom?」や「Where’s the restroom?」が無難で自然な選択肢です。
一方、イギリスでは『toilet』は便器と部屋の両方を指し、『bathroom』は通常浴槽のある部屋を意味します。「the toilet(s)」は問題なく通じますが、「the loo」や「the ladies/the gents」の方が会話に馴染む場合があります。使う場面や相手の雰囲気を見極めつつ、最適な表現を選んでいただければと思います。

ルターさん
ルターさん

なお、イギリスはフランス語の影響を受けやすい環境にあります。
フランス語では「Où sont les toilettes ?」[発音:ウ ソン レ トワレェトゥ](英語訳:Where are the toilets?)と表現します。
私の独自見解ですが、イギリスがアメリカに比べて「toilet」という語を使うことに抵抗感が少ない背景には、こうしたフランス語との歴史的・文化的つながりが関係しているのかもしれません。

トイレの英語表現一覧

1)家庭内と公共の場での使い分け

the bathroomアメリカ家庭内で「Where is the bathroom?」と訊く。
アメリカではトイレと浴室が一緒の場合を想定。
イギリス浴槽のある風呂場を指す(トイレがあるとは限らない)。
イギリスでは誤解を招く可能性あり。
the restroomアメリカ公共の場(店やレストラン)で「Where is the restroom?」と訊く。
アメリカ特有でややフォーマル。
イギリスほとんど使わない。通じにくい。
the toiletアメリカ「便器」を連想させ、カジュアルな会話では避けられる。
失礼と捉えられる場合も。
イギリス家庭で「May I use your toilet, please?」や公共で「Where is the toilet?」と訊く。
抵抗感が少なく日常的。
the toiletsアメリカほぼ使われない。
イギリス公共の場で「Where are the toilets?」と複数形で訊く。
公共施設のトイレを指す一般的な表現。
the looアメリカほぼ使われない。
イギリス「Where’s the loo?」と訊く。イギリス特有のスラング。
カジュアルで親しみやすい。女性に人気。
the lavatoryアメリカ飛行機内のトイレなど、まれにフォーマルな文脈で。
日常では堅苦しいが、英単語としては知っておきたい。
イギリスフォーマルで上流階級的。「toilet」を避けたい場合に使用。

アメリカ   個人宅では the bathroom  公共の場では the restroom

イギリス 個人宅でも公共の場でも the toilet や the looを使う

2)公共の場で男女別で言いたい場合

イギリスでは単数扱い。「the」を省略可能。「room」をつけても可。

男性用アメリカ「Where is the men’s room?」と訊く。
イギリス「Where is (the) Gents?」と訊く。
the restroomアメリカ「Where is the women’s room?」と訊く。
イギリス「Where is (the) Ladies?」と訊く。

3)あまり使われない

the bathroomアメリカ古風で年配者が使う。レトロな響き。
イギリスほぼ使われない。
the WCアメリカほぼ理解されない。
イギリスかつて使われたが現在はまれ。
イギリス由来(Water Closet)。現代では時代遅れ。
the johnアメリカアメリカ特有。カジュアルなスラング。
特に男性が使用。女性はあまり使わない。
イギリスほぼ使われない。
the toiletsアメリカ軍隊スラング。日常ではほぼ聞かない。
イギリスほぼ使われない。
ルターさん
ルターさん

この記事は、Twitter(X)の生成AI「Grok」に相談しながら作りました。どのような素材を使って、どう質問するか(指示文:プロンプト)が重要です。最終的に「合格」をもらいました。
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元記事は、新英研神奈川支部にあります。
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