
今回は、キャサリン・A・クラフト著『日本人の9割が知らない英語の常識181』(ちくま新書)を読んで感じた発見をシェアします。2018.05.05のブログ記事の再構成です。
❶『日本人の9割が知らない英語の常識181』の衝撃
この本、目から鱗が落ちすぎて回収不能です!
例えば、携帯メールが英語で「text」(項目034)と呼ばれたり、英語を日常的に使わない私(ルター)には、書いてあることすべてが新鮮。英語を日常的に使う人には当たり前かもしれませんが、私には驚きの連続でした。
「dread」の発見:look forward to の反対語
特に印象に残ったのが、項目099で紹介されていた「dread」という単語です。
「明日の会議、イヤだなぁ」を英語で言うとき、hate ではなく以下のように表現します:
I dread tomorrow’s meeting.
この表現、もっと知られるべき!と思ったので、早速、自分の教材に追記しました。
dreadは「(これから起こること)を心配する、恐れる」。
look forward to が「(これから起こること)を楽しみにする」ですので、dread はその正反対の気持ちを表します。
この対比も、もっと広まってほしい!
dread の使い方と例文→「未来」と相性が良い
dread は基本的に「doing」と接続します。
詳しい例文は、Longman英英辞典(リンク)で確認できます。
特に注目したいのは、以下の表現:
dread the thought/prospect of doing:「イヤだ、恐ろしい」と感じることが、ふだんのことではなく、これから起こることに関してだとハッキリと強調する表現。
dread to think:what などの疑問詞と組み合わせて使う定型表現(Longman Exams Dictionary で項目立てあり)。
dread the thought/prospect of (doing) something
He dreaded the prospect of being all alone in that house.
彼はその家で(これから)一人ぼっちになると思うと怖くなった。
Longman英英辞典(リンク)
I dread to think what will happen if they get elected.
Google翻訳:彼らが選出されたら何が起こるか考えると恐ろしい。
Longman英英辞典(リンク)
関連表現:give up との比較
dread を考える中で、関連する表現として「give up」にも注目しました。
ロングマン現代英英辞典のgive upの項目(リンク)によると、give up は「特に普段習慣的にしていることを止める」(to stop doing something, especially something that you do regularly)という意味。
(例:He gave up smoking.)。
しかし、「これからすることを諦める」場合は、
give up hope of doing や
give up the idea of doing を使う。
この語法の違いは、英語学習者として知っておきたいポイントです。
※ ロングマン現代英英辞典のhopeの項目(リンク)には、lose/give up/abandon hope (=stop hoping)と書いてあるが、~ing との関連性は書かれていない。私はこの記事のような観点が大事だと思っています。
同様に、dread も「dread doing」でOKですが、
これからすることに関してであると強調したいときは
dread the thought of doing も使えますが、
dread the prospect of doing を使うと、prospect「見込み」という意味が入るのでさらに未来だと明確を伝えられると推察します。
英英辞典の活用をオススメ
Longman や Macmillan などの英英辞典は、ネットで簡単にアクセスできます。適切な例文を参照することで、表現の使い方がよく分かります。私自身、これからも英英辞典を活用していきたいし、皆さんにもぜひお勧めします!
おわりに
「dread」のような表現を知ると、英語の奥深さに改めて感動します。教材作りにも活かしつつ、英語学習の楽しさを皆さんと共有できれば嬉しいです!
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