2021年度版(2024年度まで使用)New Horizon 1(東京書籍)に2023.3.23に訂正意見を送付しました。その回答を紹介します。
日本の英語教育では、someがその存在意義を無視されていて可哀想なんです。
無視されてイジメに遭っている文法事項を救出するのが英文法のルターさんのライフワークだと思っています。
僕は人名のSam[サァム]ではなく、形容詞のsome[サぁム」というキャラクタです。
someの味方になってくれるのはルターさんだけですよ…。無視され続けて、僕は悲しい!
【東京書籍】への意見 2023/3/23
【東京書籍】New Horizon 1 p. 104
1)本文
At midnight, we saw some great fireworks. (← someがある)
2)Key Sentence 38
I see fireworks every summer.
I saw fireworks that night. (← someがない!)
●意見:
(×)I saw fireworks that night.
(○)I saw some fireworks that night.
本文p. 104 6行目でsome fireworksにして自然な英文なのに、なぜキーセンテンスでsomeをなくしてしまったのか!
不自然な英語になっている。someは過去時制(物語文)では対比説明を避ける効果がある。someがない【無冠詞】fireworksだと「その夜(他のものではなく)花火は見た」のように対比を暗示したり強く聞こえて不自然。日本語の「てにをは」の使い分けが【無冠詞】と【a/an/some】の使い分けに相応する。
以下を参考にして下さい。
【英語クイズ】「リンゴ」「紅茶」を英語で言うとき、a/an/someをつけるのはどんな場合? ルールを覚えて英語の表現力を向上させよう!
【東京書籍】からの回答 2023/3/29
2023/03/29 (水) 10:10 [受付番号:17745]
【東京書籍】からの回答:平素よりお世話になっております。いただいたご指摘につきまして、以下のとおり回答申しあげます。
Key Sentenceでは、そのページでおさえたい文法事項(p.104では不規則動詞の過去形)に集中して学べるよう、そのほかの要素はできるだけ取り除いた簡潔な文を基本文としております。一方、本文は、なるべく自然な英文となるよう意識して編集いたしました。
回答をよくお読み下さい。
基本文(Key Sentence)にsomeがないのは不自然な英文だと認めてますよね…。
【過去形】 saw/bought「見た/買った」+【無冠詞】はダメ
物語(過去時制)では、❷【a/an/some】を使って話題のものを提示します。
過去形と❶対比説明に使う【無冠詞】は相性がよくないのです!
「動物園でパンダを見た」「スイカを食べた」などで
「パンダ」「スイカ」は【無冠詞】で使ってはダメなのです。
(○)saw/bought「見た/買った」+a/an単数形(1個、1匹)
(○)saw/bought「見た/買った」+some 複数形(2個以上、2匹以上)
(○)saw/bought「見た/買った」+some 単数形(切り身、ある程度の量)
(×)saw/bought「見た/買った」+無冠詞単数形、無冠詞複数形
以下は、【英語クイズ】Q4「昨日スイカ食べました」のスイカは? からの抜粋です。
ロバート・フリン先生の名著『Progress in English』の見事な例示
昔(昭和時代)はロバート・フリン先生が『プログレス』で日本の進学校の生徒達にsomeの使い方をしっかり教えてくださり、心強い味方でした。
ところが、2003年に『プログレス 21』になって、以下のBox(例文を表にしたもの)がなくなってしまったのです。改定した人たちにはこの例文の素晴らしさが分かっていなかったのです。some → not anyも大事ですが、その用法に矮小化されてしまいました。
①数えられる名詞 ②数えられない名詞 で使い分ける。
❶《一般論》I likeを使った文では対比説明向きの【無冠詞】を使う。
① I like dogs.
② I like bread.
❷《具体的な話題》I want/needを使った説明文では【a/an/some】や【数詞】などを使う。
これは過去形を使った文でも同じ。
① I want a dog.
I want an egg.
I want some eggs. ← このsomeを忘れないで!
② I want some bread. ← このsomeを忘れないで!
この例文で、フリン先生が「犬」「卵」を選んでいるところが巧いと思うんですよ。
a dogで不定冠詞のaを扱い、an eggで不定冠詞のanを扱える。
犬は2匹以上欲しい人は少ないですが、卵なら複数個欲しいのは自然な文脈ですからね。
こんな巧みな例示をなくすって、どういうことでしょう?
ルターは「温故知新」で「優れた先人の教え」を「#英語教師のバトン」として渡していきます!
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