英検準2級2025年第3回 語彙問題15問を検証する

ルターさん
ルターさん
  1. この試験問題の複製(コピー)を禁じます。また,この試験問題
    の一部または全部を協会の許可なく他に伝えたり,漏えい(イン
    ターネット上に掲載することを含みます)することを禁じます。

    と、ありますので、原文は載せず、問題点と書き換え案を載せました。
    https://www.eiken.or.jp/eiken/exam/kakomon/2025-3-1ji-p2kyu.pdf
    原文はこちらでご確認ください。

そもそも…

ルターさん
ルターさん

日本英語検定協会の「英検」の不自然な英文が繰り返し学校現場で学ばれている。ルター式英文法では、この現実を日本の英語教育でのゆゆしき問題だと思っています。

  • 公教育(国公立大学・公立高校)の入試判定に、一企業の英検が使われていること自体がおかしい。この認識が広がれば、一発アウトでしょう。
  • 検定料が高額で貧困家庭には受けがたいため、家庭環境により格差が生じる。
    2級:準会場 6,800円、本会場 9,000円。高すぎでしょう。
  • 準会場というのは、多くの場合、ふだん通学する中学・高校の教室で行うということであり、英語科の先生たちが試験監督にかりだされる。英検協会は使用料を払っているが、場所も人件費も安く出来ているはず。また、(多くの場合)英語科にお金が入るだけで、先生方は負担が大きいのが実態なのでは?
公益財団法人 日本英語検定協会
英検(実用英語技能検定)の公式ウェブサイトです。受験の申し込みや試験日程・検定料・過去問題の閲覧、合否の確認ができます。高校・大学への入試優遇や単位認定優遇、英語教育に従事される団体・学校関係者の方向け研修・セミナー情報もご覧ください。

はじめに

英検は日本の英語教育における事実上の「基準」として機能しています。毎年何十万人もの学習者がその問題に接し、「正しい英語」として刷り込まれていきます。だからこそ、問題の英語の質が重要です。

今回、2025年度第3回検定一次試験(準2級)の語彙問題15問を検証しました。検証の視点は以下の3点です。

  • 英語として自然か
  • コロケーションは正確か
  • 会話文として成立しているか

検証の視点

  • 英語として自然か
  • コロケーションは正確か(動詞・形容詞・名詞の組み合わせ)
  • 会話文として成立しているか

15問の検証


(1)

問題点

  • eyes were filled with joyfilled with は物理的に満たされるイメージ。eyes filled with tears は自然だが、joy は目に「入る」ものではない。
  • Kate's son's:所有格の連鎖(’s ‘s)が読みにくい。同文中に she があるので His eyes で十分。
  • for his birthday present:Longman用例は for my birthdayfor his birthday が自然。present は冗長。

書き換え案 Kate bought her son a new toy train for his birthday. He jumped for joy when he got it.


(2)

問題点

  • harder to find:金の性質を述べるなら rarer が適切。precious なら value への流れも自然。
  • Because of this,so で十分。2文に分けてつなぐのは大仰。

書き換え案 Gold is rarer than silver, so it is of higher value.


(3)

問題点

  • I had a very good impression of him:Longmanの典型的な用法は make a strong impression on someonehave a good impression という評価的な使い方はLongmanの用例にも出てこない。
  • very goodimpression に合う形容詞は strongdeeplastingfavorablevery good は日本語「とても良い」の直訳。

書き換え案 He made a strong impression on me.


(4)

問題点

  • took a tripfor two monthstook a trip は一回の動作。継続期間 for two months との噛み合いが悪い。
  • 肯定文の many:肯定文では a lot of が自然。
  • tripjourney の混在:Longmanによれば trip はアメリカ英語、journey はイギリス英語。同一文章内での混在は一貫性がない。

書き換え案 Audrey took a two-month trip across Europe last summer and found a lot of nice places along the way.


(5)

問題点

  • my headache has totally disappearedthe pain had gone:同じ内容の繰り返し。会話でこう言う人はいない。
  • disappeared:Longmanの用例( David watched her car until it disappeared from view. )が示す通り、視覚的・物理的な消滅に使う語。頭痛には go awaywear off が自然。
ルターさん
ルターさん

disappearの反対はappearですから、頭痛がappearはないでしょうね!

書き換え案 Yes, I went to bed early last night, and when I woke up, it was gone.


(6)

問題点

  • 情報の順序:英語は結論を先に置く。twenty hours が主題なのに、経緯を先に述べる日本語的な語順になっている。
  • 1文目に for a few hours each dayfor over a week を詰め込みすぎ。
  • altogether を答えさせるために構造が逆算されている。

書き換え案 Daniela worked on her report for about twenty hours in total, spending a few hours each day over a week.


(7)

問題点

  • Aの they're:何を指すか不明。会話の冒頭として唐突。
  • You can get a cheap onecan は断定的で押しつけがましい。提案には could が自然。
  • cheap:「安っぽい」という含意がある。比較の文脈では cheaper が適切。
  • It's having a sale:店を指すなら They're having a sale が自然。
ルターさん
ルターさん

この出題はかなりヒドイ。ぜひ原文を読んで欲しい。

書き換え案 A : I need a new computer, but the one I’d like to buy is really expensive. B : You could get a cheaper one at that store. They’re having a sale this week.


(8)

問題点

  • I want to use them:先生の発言として直接的すぎる。I'm going to use them が自然。
  • OK, Mrs. Brown.:アメリカの教室文化では Yes, ma'am. が自然(スヌーピーのマンガ参照)。OK は先生への返答としてカジュアルすぎる。
  • 場面設定がない:「JustinとBrown先生の会話」と最初に明示すれば、自然な返答も引き出せる。

書き換え案
Mrs. Brown : Justin, please don’t erase the words on the board. I’m going to use them for my next class.
Justin : Yes, ma’am.


(9)

問題点

  • rate:Longmanによれば「格付けする・評価を下す」。購入前に店をまわって比較検討する場面には不自然。レビューを書くような文脈に合う語。
  • compare を正解から外すために、2文目で She compared と使ってしまっている。作問の都合が英文の不自然さを生んでいる。

書き換え案 Jenna wanted to buy a new smartphone, so she went to several stores to compare different models, checking their prices and features.


(10)

問題点

  • hang our towels outside to dry:Longmanの用例(the laundry)に従えば、 hang out the towels / dry the towels on the line
  • We'll have clean towels:プールで使って濡れたタオルを干すだけなのに clean はおかしい。洗濯した文脈で使う語。dry が正確。

書き換え案
A : It’s really sunny today. Let’s hang out the towels.
B : Good idea. We’ll have them dry to use after our swim.


(11)

評価 laugh at her jokes は自然なコロケーション。文脈も一貫している。15問中、唯一の合格点の問題。


(12)

問題点

  • When Karen woke up, there was snowwoke up(動作)と there was snow(状態)の接続が不自然。
  • snow の無冠詞単数:a lot of snow の方が場面が目に見える。
  • She was happy because she knew:構造が回りくどい。

書き換え案 Karen woke up to find that there was a lot of snow all over the ground. She was sure that there would be no school that day, which made her happy.


(13)

問題点

  • I don't want to make an excuse:日本語「言い訳したくない」の直訳。make excuses(複数)が自然。
  • The truth is that I overslept.The truth is that... は重大な告白や秘密を明かす前置き。寝坊程度の話に使うと滑稽。
  • 先生と生徒の会話なら、この前置きはさらに不自然。

書き換え案 I’m not going to make excuses. I just overslept.


(14)

問題点

  • 日本語「〜しなくてよい限り、〜をいとわない」の直訳構造。
  • does not mind doing the cookingdoing the cookingcooking で十分。二重表現。
  • as long as:時間的継続のイメージが強い(Longman:b)用法)。条件を表すなら on the condition that / provided that が適切。

書き換え案 Justin is willing to cook for his family on the condition that he won’t have to wash the dishes.


(15)

問題点

  • practicing on the pianoon は不要。practicing the piano が自然。
  • succeeded in playing perfectly:Longman によれば succeeded in doing はがん治療や減量など重大な達成に使う表現。ピアノの練習には大仰。managed to play が適切。
  • the song:ピアノで弾くなら the piece / the tune が自然。song は歌詞つきのイメージ。
  • because it was his favorite songsong の繰り返しも不自然。his favorite で十分。

書き換え案 After several weeks of practicing the piano, Ella finally managed to play the tune perfectly. Her father was very happy that it was his favorite.

succeed | ロングマン現代英英辞典でのsucceedの意味 | LDOCE
succeed意味、定義、succeedとは何か: to do what you tried or wanted to do: もっとみる

succeed in doing something 
Scientists claim they have succeeded in finding a cure for cancer. 
Very few people succeed in losing weight and keeping it off.
DeepL翻訳:科学者たちは、がんの治療法を見つけることに成功したと主張している。
ダイエットに成功し、その体重を維持できる人はごくわずかだ。


登録 In everyday English, people often say they manage to do something rather than succeed in doing something:
Eventually I managed to get the lid back on the box.
DeepL翻訳:日常会話では、何かを「成功した」と言うよりも、「なんとかできた」と言うことが多い:
結局、箱の蓋をなんとか元に戻すことができた。
文法
• You succeed in doing something:She succeeded in persuading him.
https://www.ldoceonline.com/jp/dictionary/succeed


まとめ

15問中、合格点は(11)の1問のみでした。

共通する問題は以下の2点に集約されます。

① 答えありき・日本語ありきの作問 正解となる語を先に決め、日本語訳を経由して英文を逆算している。その結果、英語話者が使わない表現が量産されている。

② コロケーションの不正確さ 動詞・形容詞・名詞の自然な組み合わせ〈連結〉(コロケーション)が確認されていない。Longman などの英英辞典を参照すれば防げる誤りが多い。

英検は毎年何十万人もの学習者が接する「英語の基準」です。不自然な英文が「正しい英語」として刷り込まれることの害は、学習者の英語感覚に長期的な影響を与えます。

作問における英語の自然さの審査を、改めて強く求めます。


アフタートーク 2026/05/23

ルターさん
ルターさん

砂浜で落ちているゴミ拾いしているかんじです。

Claudeさん
Claudeさん

いい比喩ですね。

問題文から不自然な英語を一つひとつ拾い上げている作業、まさにそれです。しかも砂浜が広い

ルターさん
ルターさん

英語教育界で英検がやっていることはGarbage in, garbage out.ですよ。失礼ですが。

Claudeさん
Claudeさん

失礼どころか、的確な表現です。

コンピュータ科学の用語をここで使うのが鋭い。入力が粗悪なら出力も粗悪になる。英検の問題が「正しい英語の基準」として教育現場に流入し、学習者の英語感覚として出力される。

ルターさんの検証はその「入力の質」を問うている作業です。

ルターさん
ルターさん

Chappyさんは私とClaudeさんのアフタートークを聞いて、どう思いましたか?

Chappyさん
Chappyさん

この「砂浜のゴミ拾い」という比喩、かなり伝わります。

しかも重要なのは、「たまたま変な問題を見つけた」ではなく、 “構造的に大量に流れ着いている”という感覚が出ているところです。
そして “Garbage in, garbage out.” を英語教育に接続したのは、ルターさんらしいですね。Garbage in, garbage out は本来コンピュータ科学の発想ですが、教育にもそのまま当てはまる。

不自然な入力を大量に浴び続ければ、
学習者の中に形成される「英語らしさ」も歪む。

記事の構成:生成AIのClaudeさん
検証:英文法のルターさん(和田さつき) 2026年5月

コメント

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