〈授業に歌を〉 I’m Wishing ♪ディズニー映画『白雪姫』挿入歌「私の願い」

1937年ディズニー映画『白雪姫』(Snow White and the Seven Dwarfs)は著作権(70年)が切れていますので、YouTubeで歌が公開されています。

Disney’s “Snow White and the Seven Dwarfs” – I’m Wishing/One Song
『白雪姫』では、願い事を歌いながら白雪姫が井戸を覗き込んでいたら、横から王子が覗き込んでくる。

雑誌『新英語教育』の記事でまとめ読み【pdf 2ページ】

ルターさん
ルターさん

雑誌『新英語教育』2021年2月号の記事です。
pdf を貼りますので、まとまった活字で読みたい方はこちらをお読みください。

ディズニー『白雪姫』を5文型で読み解く

ところで皆様、5文型を授業で利活用されていますか。この有用な概念を使わないなんて、もったいないですよ。今回はSVOとSVOCを利活用します。

ディズニーの王子たちは「怖がらせ屋」(frightening)

『白雪姫』と『眠れる森の美女』では姫が王子と出会うシーンでfrighten(~を怖がらせる)が共通の単語として使われています。白馬の王子達は実は怖がらせ屋(frightening)なのです。
『白雪姫』では、願い事を歌いながら白雪姫が井戸を覗き込んでいたら、横から王子が覗き込んでくる。
『眠れる森の美女』では、フクロウやウサギたちと踊っていたオーロラ姫が振り返ったらフィリップ王子に入れ替わっている。映画の観客は王子が近づいてくるのを知っていますが、それと知らない姫たちの驚きはいかばかりか…、YouTubeで衝撃シーンを是非ご覧下さい!

An Unusual Prince/Once Upon a Dream (From “Sleeping Beauty”)
『眠れる森の美女』では、フクロウやウサギたちと踊っていたオーロラ姫が振り返ったらフィリップ王子に入れ替わっている。

「感情や体調を表す他動詞のSVO」を教えたい

Snow White I didn't mean to frighten you.
Snow White I didn’t mean to frighten you.
Sは[~を]VするOを
I(アィ) did(ディドゥ)n’t(ントゥ) mean(ミィーン) to(トゥ)
私は~するつもりではなかった
frighten(フゥラァィトゥン)
[~を]怖がらす
you(ユー).
あなたを
Did(ディドゥ) I(アィ)
~したか 私は
frighten(フゥラァィトゥン)
[~を]怖がらす
you(ユー)?
あなたを
The() prince(プゥリィンス )
王子は
frighten(フゥラァィトゥン)ed(ドゥ)
[~を]怖がらせた
her.(ハァァ)
彼女を
感情や体調を表す他動詞のSVO

この用法は、旧版Progress in English(エデック)ではBook 2で出てきます。中学2年設定です! 
この英語らしい用法を授業で扱うことを提案します。

「感情や体調を表す他動詞の派生語」を教えたい

frightening/frightenedという単語の成り立ちをPowerPointで以下のように提示。

Snow White frighten  接尾辞en
Snow White frighten 接尾辞en
fright, frighten, frightening, frightened

wish forはSVOCに分類すると明快です!

I’m wishing for the one I love to find me today. (愛する人が見つけてくれるのを願っている)は、
I’m wishing for 私は願っている…
the one I love 私が愛している人が
to find me today 私を見つけるの
のように、文頭から理解できるとともに、SVOCの第5文型と見なして、表組みを示すと明快である。
5文型の醍醐味はこの拡張にあると私は信じる!

SはVするOがCのを
I(アィ)
私は
want(ウォントゥ)
欲する
you(ユー)
あなたが
to(トゥ) come(カぁム).
来る…
I(アィ)
私は
m() waiting(ウェィティング) for(フォァ)
~を待っている
you(ユー)
あなたが
to(トゥ) come(カぁム).
来る…
I(アィ)
私は
m() waiting(ウェィティング) for(フォァ)
~を待っている
him(ヒィム)
彼が
to(トゥ) find(ファィンドゥ) me(ミィ).
私を見つける
I(アィ)
私は
m() wishing(ウィシィング) for(フォァ)
~を願っている
the() one(ワぁン)  I(アィ) love(ラぁヴ)
私が愛する人が            
to(トゥ) find(ファィンドゥ) me(ミィ).
私を見つける
SVOC want, wait for

I want you to come.
(私はあなたに来てもらいたい)
I’m waiting for you to come.
(私はあなたが来るのを待っている)
I’m wishing for you to find me today.
(私は今日あなたが私を見つけるのを待っている)
I’m wishing for the one I love to find me today.
(私は今日私が愛している人が私を見つけるのを待っている)

SVOCで現在分詞と過去分詞の使い分けの「盲点」

本誌をかつて発行していた三友社出版で私が編集者として勤めていた1991年担当した、『みるみるわかる高校英語』の校閲者のロナルド・ザブスラック先生に直していただいた、忘れられない一文が
They heard a window breaking.(彼らは窓が割れるのが聞こえた)です。
初稿ではbrokenだったところ、ザブスラック先生は「窓がbroken([すでに]割れて…)ではガラガラという割れる音が聞こえないでしょ? breaking([その時その場で割れて…)ですよ。」と教えてくださいました。目から鱗でした。

ルターさん
ルターさん

They heard a window breaking.
(彼らは窓がその時その場で割れるのが聞こえた)
brokenではない。breakingです。

SはVするOがCのを
You(ユー)
あなたは
hear(ヒィァ )
聞こえる
it(イトゥ)
それが                                    
echoing(エコォゥィング).
こだまして…
They(ぜェィ)
彼らは
heard(ハァ~ドゥ)
聞こえた
a() window(ウィンドォゥ)
窓が                                       
breaking(ブゥレェィキィング).
ガラガラと割れて…
They(ぜェィ)
彼らは
found(ファゥンドゥ)
見つけた
a() window(ウィンドォゥ)
窓が                                       
broken(ブゥロォゥクン).
(すでに)割れて…
SVOC hear, find

余談 2020年11月 日本学術会議会員任命拒否問題

チャップリンの『独裁者』のセリフ、Dictators free themselves, but they enslave the people!(独裁者は自らを自由にするが人々を奴隷にする!)を地で行く8年の悪夢から覚めたと思いきや、原稿を書いている2020年11月の今、日本学術会議会員任命拒否という悪意(spite)が蔓延[はびこ]っています。In spite of that、イタリア学会から光明が差しました(「日本学術会議会員任命拒否についてイタリア学会による声明」)。英語教育界からも氣を吐いて参りましょう。

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